マーチャンダイザーの専門誌【月刊マーチャンダイジング】

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N.F.I

月刊マーチャンダイジング

今月の視点

「よりよいものをより安く」が「繁盛」の黄金律(ゴールデンルール)である

本誌主幹/日野眞克

無意味な品目数の増加は
商品部の怠慢である

 成熟市場に突入した日本では、消費が多様化し、パーソナル化しているといわれている。それはある面で事実である。小売業は「変化対応業」であるかぎり、ショッパー(買物客)の劇的な変化に対応しなければならない。
 とはいうものの、その変化対応策が「無意味な品目数の増加」であるのは、小売業では商品部、メーカーではマーケティング部の怠慢であると思う。
 成熟市場で消費がパーソナル化している時代だからこそ、「単品で量を売ること」にこだわらなければならない。理由は、人口減少、総売上減少時代において、「品目数を増やすこと」は、営業利益を低下させ、キャッシュフローを悪化させるからである。
 たとえば、小売業の商品部バイヤーは無意味に品目数を増やしたがる。理由は、品目数を減らすと、売上が減るような気がするからである(多分、検証はしていない。思い込みであることが多い)。
  その結果、売れ筋の陳列量が減り、売場での視認率が悪化し、売れ筋を売り逃す。さらに、売れ筋の陳列量が少ないので店頭欠品が頻繁に発生し、膨大な機会損失を発生させる。
 同時に、現金化の見込みの少ない死に筋が売場の多くを占領し、キャッシュフローが悪化する。特定の売れ筋は、一日に何度も補充しているので、陳列作業コストが増加する。結果として、売上が下がり、キャッシュフローが悪化し、営業利益も低下する。

その「店頭現場」の実態から目を背けて、「値入率とリベート」の高さばかりをバイヤーが気にしているから、無意味な品目数の増加は、小売業の商品部の怠慢であるといったのである。
 一方、メーカーのマーケティング部も、対前年比の売上増のために、無意味に新商品を乱発したがる。しかし、新商品を導入するために、既存品の返品を受ける(膨大なコスト増)。新商品を配荷するので、見かけの「セルイン売上」は立つが、思ったほど売れなくて返品・資産整理損(キャッシュフロー悪化)が発生し、その失敗を穴埋めするためにさらに新商品を乱発する。
 その結果、儲かっている既存のメガブランドのマーケティング費用が減り、儲かっている既存品の利益を食いつぶし、既存品が弱体化する。
 この「悪魔のサイクル」に突入している現実から目を背けて、対前年比売上の維持ばかり気にしているから、新商品の乱発による無意味な品目数の増加は、メーカーのマーケティング部の怠慢であるといったのである。(続きは本誌でご参照くださいませ)

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